里山・林床の鳥たち


里山・林床の鳥たち

里山は人々の暮らしを支えてきた役目を終え、本来の植生へ向かって徐々に姿を変えつつつあります。人目線では荒れていくということになるかと思います。樹木は更新されず高木化して林内は薄暗くなり、落ち葉などを片付ける人もいません。当然、林床や林縁は落ち葉に覆われてしまったままです。

そのために一部の春植物など暮らせなくなるものもいて里山としての豊かな生物多様性は失われてしまいますが、むしろその環境を好む生物たちにはありがたい限りの状況かもしれません。彼らには1000年待ってやってきた本来の楽園でしょう。落ち葉の下には埋もれてしまったドングリの他、人には嫌われるだけの小さな目立たない存在の虫たちがたくさん蠢いているはずです。

それらを求めてそこには林床で餌を探すシロハラ・ツグミ・コジュケイ・カケスなど落葉かき分ける系の鳥たちも多くやって来ています。


林床の鳥・シロハラ 🐥Pale Thrush

ツグミ科ツグミ属に分類される鳥の一種。食性は雑食で、ツグミと同様に地面に降りて昆虫やミミズなどを捕食するし木の実も。冬はほとんど鳴かず、たまに小声で「キョッ キョッ」などと地鳴きをする程度のようでか。腹黒い人の多い中、こういう鳥は貴重ですね。鳴き声も控えめです。

名前はメジロやホオジロと違ってハラシロではありません。沖縄の外来種にはシロガシラという鳥も。



林床の鳥・トラツグミ 🐥White's Thrush

これもツグミの仲間の落葉かき分けちゃう系の野鳥ですが、シロハラと同じツグミ科ツグミ属ではなくトラツグミ属です。でも落葉がそのままになっていると嬉しくてしょうがないようです。

この鳥がカメラに収まったのは、初めてではないですけど、かなり久しぶりです。

シロハラはちょこちょこ映りますが、ともに単独で行動するタイプのようです。



林床の鳥・キジバト 🕊Oriental turtle dove 

里山に暮らす夫婦のキジバトです。キジバトも今では都市部の街路樹に巣を作ったりする身近な存在になりましたが、今でも田舎にこだわるものもいるようです。むかしは都会嫌いの鳥とされ山鳩とも呼ばれていたと思いますけど。つがいで行動していることの多い鳥ですが、このご夫婦は仲良く里山での暮らしを選ばれたようです。



コジュケイ 🐤Chinese bamboo partridge 

移入の時期もあり警官鳥ともよばれ、鳴き声は日本ではちょっとこいと聞こえるといいますが、英語の聞きなしだとPeople Prayだそうです。私は海外生活が長かったのでどちらかというとそっちに。嘘です。でもちょっとこいとも聞こえません。ウクライナのことなどあって人々が祈っているのがこの鳥には判るのでしょうか。コジュケイは外来ですから亡命者の子孫とも言えます。



ガビチョウ🐥 Hwamei

ガビチョウは外来生物法で特定外来生物に指定されているうえに、日本の侵略的外来種ワースト100定種にも選ばれています。外来種のすべてが侵略的というわけでもないわけですが、どうもガビチョウはわがままで行けないようです。人の生活に害があるのは人が連れてき人ので自業自得的な面もあるように思いますが、連鎖的な影響もあって迷惑している既得権のありそうな生きものも多ようです。



田舎が好き!!‐カケス🐦 Eurasian jay

珍しくない鳥ですが街中では見かけたことはありません。田舎好き?英名JAYは鳴き声から。白黒に混じった青が美しい。しかし、より青いアオカケスという仲間が北米にいたりします。ブルージェイズの名前の元Bluejayです。大リーグには鳥の名前を由来とする球団は他にもあって、オリオールズ(ボルチモアムクドリモドキ)カージナルス(ショウジョウコウカンチョウ)がそれです。ちなみに大谷のロサンゼルス・ドジャースDodgerって何のことかご存じですか。ドジャースの本拠地がニューヨークだったころ、ブルックリンには路面電車が多くTrolley Dodgers「路面電車を避ける人たち」と住民たちが呼ばれていたためのようです。Dodgeはドッジボールのドッジです。 

 都会が好き!!‐カラス 🐦Jungle Crow

対してハシブトカラスはむしろ都会が好きなようですが、田舎にもいます。ジャングルクロウですから。まあ好みは鳥それぞれ。カケスもカラスもカラス科の仲間です。どちらも地上採餌性とはいえませんが。




国鳥?なのか…!!‐キジ♂🐦Japanese Pheasant

キジはまあ普通にいますし、なかなか立派な見た目ですから日本の国鳥と言われても不思議ではありません。しかし、これは国が正式に決めたものではなく星の数ほどある〇〇学会と名乗る組織の一つである日本鳥学会がそう言っているに過ぎません。また〇〇学会というのは誰が名乗ってもよく何の規制もありません。なのでそういう名前のついた宗教法人があって信者を学会員と呼ぶのも特に問題にならないわけです。ちなみに日本が国を象徴するものとして認めているのは国旗:日の丸国歌:君が代だけです。国の花サクラなのかなのかはっきりしないのもそのためです。しかし県や市町村の鳥キジとしているところもいくつかありますが、これは自治体が正式に定めているもののようです。これは判らなくもない現象で、花でも鳥でも代表するものを決めるには国では広すぎるためとも言えます。沖縄県をはじめとする西南諸島や北海道にはキジはいなかったりしますから公平に何か一つに決めるのは難しいところもあるのでしょう。市町村単位なら意見をまとめやすいので正式に決められいるということのように思います。国鳥・国花の他、国魚:ニシキゴイ国蝶:オオムラサキ国果:カキ国石:ヒスイ国菌:コウジキン国技:スモウなどさまざな「国の〇」というものが存在していますが、ほぼそんなところが勝手に決めているだけです。〇〇学会などと名乗る人たちの単なる勘違いの特権意識によるもので、もちろんそんな権利は彼らにはありません。本来、国民全員が持つべき権利でしょう。彼らは国民の代表者ではありませんし公益法人として認められてもいません。ちょっと面白いなと思うのは国魚:ニシキゴイで、それなりに納得できる選出だとは思いますし、すでに多少認知もされているようですが、それを強く主張しているのは全日本錦鯉振興会というところだったりするようです。私は別にニシキゴイで構いませんが、とりあえずさかなクンのご意見をお聞きしたいところです。野生種ではないのだけど、他に有名なのいないし、まあいいか。