シカの目撃例の少ない栃木県県南ですが、前から夜中トレイルカメラにチラっとだけ登場してくれたりしていた牝鹿ちゃんですけど、ようやくちゃんと映ってくれました。
やはりまだ子鹿のようです。女の子でしょう。鹿の子模様の夏毛がきれいです。「バン美」と名付けました。可愛いです。
体を舐めたり、後ろ足で首を掻いたりしています。仕草もチャーミングです。座り込んでいるときは、反芻タイムでしょうか。
シカも今や害獣ですが、ここではそんなに悪さをしてません(と思う)ので、優しく見守ってあげましょう。 ※あのバンビは♂です。
タペタム・輝板 tapetum
ニホンジカは本来は薄明薄暮性で完全な夜行性というわけではありませんが、夜間活動もできるようにタペタムという反射板が網膜の裏にあります。なので目が光ってしまって夜の様子はちょっと怖いですね。つぶらな瞳が台無しです。
哺乳類は基本夜行性の動物として進化してきましたので、暗視力の高いものが多くいます。タペタムによる眼の光は、猫によって広く知られていると思いますが、ネコはヒトがものを見るのに必要な明るさの1/6でも大丈夫といわれています。これなら月明りでもへっちゃらですね。
夏限定・鹿の子模様
シカは子鹿に限らず夏は鹿の子模様の装いになります。この模様は夏の木漏れ日に似せて、外敵から身を守る保護色の役目とされていますが、緑の中でオレンジの夏毛はヒトの目にはとても目立つように感じます。
本来の天敵であるトラやオオカミがなどの哺乳類が基本2原色の色世界の住民なので、これで十分という仕組みです。もちろんシカ本人も同じなので自身では隠れているつもりです。逆にトラのオレンジと黒の縞模様の配色がカモフラージュとして有効なのも同様です。
哺乳類は、ほぼ橙色と黒色の2色のメラニンの組み合わせで白・灰・黒・茶などの体色を作り出しているという事情もあるようですが。
例外的に緑色の哺乳類としてナマケモノがあげられますが、体色というよりもあれは怠け者すぎて体に苔が生えているというのが現実のようです。
花は紅、カエルは緑
シカと違ってアマガエルは緑の保護色を持ちます。苔生えているわけではないです。これはおそらく天敵の鳥類や爬虫類が、オオカミのように2色型の色盲ではなく、4原色の色とりどりの世界の住民だからおきた進化かと。
もしアマガエルがオレンジであったなら直ちに鳥に食べられているでしょう。食べてほしくて赤くなっている植物の実と変わりませんから。海外のカエルには派手な色彩を持つ種類がいますが、あれは基本「食べたら死ぬで」という毒入りのメッセージとしてのカラーリングです。
鳥や昆虫には緑のものも多くいますが、緑色や青色の色素を持つわけではなく特殊な工夫をしてああいう色を表現しています。哺乳類と比べると緑に限らず青や赤ととてもカラフルできれいですね。
裸でいれば、人間なんてそんなにきれいじゃないのかもしれません。
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